SCÈNEオープニング記念座談会 [前編]
自分の目では見られないモノクロームの世界を
カメラで切り取る~森田恭通
SCÈNE(セーヌ)のオープニング企画として、日本での初個展で「Porcelain Nude」を発表する森田恭通さんと、SCÈNEアドバイザーで森田さんの友人でもある田辺良太さんをお招きし、SCÈNEディレクターの山本菜々子が進行役となってお話をうかがいました。
「Porcelain Nude」についてはもちろん、昨年パリで初めての写真展を開催された森田さんに写真やアートについて、またデザインを手がけられたSCÈNEのインテリアについてもお話しいただきました。
初めてきちんと話しをしたのは、アートバーゼル・マイアミビーチ
- 山本
- まず初めに、森田さんと田辺さんの出会いについて教えてください。
- 森田
- アート好きという共通点のある友人、Francfrancを手がけるBALSの髙島社長に「僕らよりアート好きな人がいる」と紹介されたのが、良太くん。その後すぐにアートバーゼル・マイアミビーチに一緒に行って、きちんと初めて話をしたのはマイアミだったよね。
- 田辺
- それから毎年、もう9回くらい一緒に行ってるかな。髙島社長も森田さんも、自分の好きなものがはっきりしているから、一緒にアートを見ていて楽しいですね。
- 山本
- アートバーゼル・マイアミビーチは他のアートフェアとは違うんですか?
- 田辺
- マイアミは、もちろんアートはたくさんあるんだけど、ほかにシャンパンも太陽もビーチもあって陽気で楽しいんだよね。
- 森田
- クラブもあるし。世界中からアート好きやアートにまつわる職業の人、そこに乗っかってイベントをやっている人が集まっていて、無料で配られる立派な本があったり、その1ヶ月全体がアートのお祭りみたいな感じ。
- 田辺
- ゆっくりアートを見たいならスイスの方がいいかもしれないけど、楽しいのはマイアミだよね。
世界中の優れたギャラリーが一堂に会しているので、アートを見るだけでも本当にすごい。あれだけのギャラリーを見に実際に世界を巡るのは不可能だけど、それを一気に見られるところがアートフェアの魅力だと思います。
- 山本
- お二人がアートを選ぶときの決め手はなんですか?
- 森田
- 僕の場合は「バカだなぁ…。」っていうのも多い(笑)。インスピレーションで、自分のアンテナに響いたら買いですね。マイアミではいいなと思ったら即決しないと。もう一周回ってからと思っていると、次に見に来たときにはもうなくなってることもあって…。でも即決した後で、もっといいなと思うものを見つけちゃう場合もあるんですけど。
- 田辺
- プラス知識で選ぶときもあるけど、あえてピュアな状態で選ぶというのを大事にしてますよね。僕は若手を買い支える意味で、気に入った5万円程度の作品を買ったりします。
- 山本
- 若手支援ですか、そういうのもいいですね。 SCÈNEでもゆくゆくは若手アーティストを支援するようなことをしていきたいと考えています。
さて、森田さんはデザイナー としてもアートと関わっていると思いますが、その場合には見方も変わるのでしょうか?
- 森田
- 自分のデザインした空間に合う作品をクライアントからの依頼で選ぶこともありますし、インテリアと合いそうなアーティストと連絡が取れるようにコネクションを作ったり。最初の頃はクライアント用が多かったのですが 、今は専ら自分用に見ていることが多いです。写真が好きなのでよく写真も買いますが、この前買ったのはダンボールを描いた作品とか、有名・無名、ジャンル問わず気に入ったものを買いますね。